【04】確定申告時に税理士がもったいないと思うこと。
確定申告の時期がやってきました。今年もコロナ感染症が原因による確定申告に対する特別措置が行われております。具体的には、申告所得税(及び復興特別所得税)、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・納付期限について、全国一律で令和3年4月15日(木)まで延長することとされています。
申告所得税及び個人事業者の消費税の振替納税をご利用されている方の振替日についても、申告所得税は、令和3年4月19日(月)から令和3年5月31日(月)に延長。個人事業者の消費税は、令和3年4月23日(金)から令和3年5月24日(月)に延長されています。引落時に残高がないということのないようにご注意ください。
では本題です。毎年、新規のお客様にお会いするとよく『勿体ないですよ。』とお話しする内容がいくつかございます。特に多いのが『青色申告特別控除』を有効活用せずに10万円控除だけ適用しているケースです。
青色申告とは、一定の帳簿を備え付け日々の取引を記帳し、その記録にもとづいて確定申告をする制度です。青色申告には「正規の簿記の原則に従って作成された帳簿」の備え付けが義務付けられています。簿記の形式は「複式簿記」もしくは「簡易簿記」です。青色申告をするには、事前に税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。届出を出さなければ、自動で白色申告者になってしまいます。税務調査が来ないから白色申告にしているという都市伝説を信じている方を除いて、青色申告をされている方が多いのですが、意外にご自身でされている方、税理士に1年に1度郵送などで簡単に済ませている方は、10万円控除しか受けていない方が多いです。
もし、あなたが事業的規模(左記②参照)のマンションオーナーにも拘わらず、白色申告や青色申告でも青色申告特別控除が10万円しか受けていないのであればすぐに見直すべきです。青色申告特別控除は、65万円、もしくは10万円の控除を受けることができますが、65万円控除を受けられる方の要件が決められています。65万円控除を受けるための要件は以下のとおりです。
不動産オーナーが青色申告特別控除65万円控除を受けられる要件
①青色申告承認申請を行っていること。
②不動産所得の場合、事業として行われていると認められること。
「事業的規模かどうか?」の判断は、実質判断となりますが、目安として「5棟10室基準」というのがあり、概ね、これに該当すれば、「事業的規模」と判定されます。
(A)5棟10室基準とは
●アパート等は、貸付できる独立室数が、おおむね「10室」以上であること。
●家屋の貸付けは、おおむね「5棟以上」であること。
(B)駐車場の場合
貸付の対象が「月極駐車場」の場合は、「駐車スペース5台分」を「1部屋」に換算できるというのが一般的です。
③複式簿記で記帳していること。
④現金主義でないこと。
⑤申告時に、記帳に基づいて作成した損益計算書と貸借対照表を添付すること。
⑥確定申告の法定期限を守ること。
⑦令和2年分以後はe‐Taxによる申告(電子申告)又は電子帳簿保存を行わないと①~⑥を満たしていても55万円控除になります。
では、実際にどれぐらいの節税効果があるのか以下検証してみました。
マンションオーナーの青色申告特別控除を受けた場合の節税効果具体例
何となく面倒くさいで行っていない青色申告特別控除の有効活用!ぜひ今年から検討頂いては如何でしょうか? 税理士法人ほはば代表の前田が執筆いたしました。
PROFILE
税理士法人ほはば 代表税理士
前田 興二(まえだ こうじ)
2011年10月に税理士法人ほはばを設立し、同法人の代表に就任。税理士業界ではじめて日本マイクロソフト社にそのIT活用の事例取材を受けるなどITを活用し、お客様の経営コストの削減と業務の効率化を徹底的にサポート。不動産オーナーや法人関与先数は400を超える異例の支持を受けている。不動産オーナーに対し、不動産管理会社の設立による節税をはじめ、相続を見据えた生前の不動産対策を提案をすることで更にその支持が広がっている。
税理士法人ほはば
【東京本社】〒102-0083 東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル18F
【大阪本社・会計センター】〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2-4-13 6F
【福岡本社】〒810-0801 福岡県福岡市博多区中洲5-3-8 アクア博多5F
連絡先 TEL:06-6343-3838 FAX:06-6343-4848
http://www.hohaba.com/