【16】賢い大家さんのインボイス制度への対応
ども、税理士法人ほはば代表の前田です。最近になって、2023年10月に迫ったインボイス 制度について問い合わせが多くなってきました。
弊社では法人のお客様に対しては、適切に対応をさせて頂いているところがほとんどです。しかし、個人のお客様、特に大家さんのインボイス制度対応について、問い合わせが最近増えてきているのを感じます。
結論として、大家さんの大半はインボイス登録事業者をする必要がない。またはせずに店子との家賃交渉を行う方が有利であることが多いので弊社はそのようにお客様に対応するようにアドバイスしています。
インボイス制度
では、そもそもインボイス制度とは何でしょうか?
インボイス制度とは、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式で、正式名称は「適格請求書等保存方式」です。
インボイス制度導入後は、一定の要件を満たした適格請求書(インボイス)を売り手が買い手に発行し、双方が適格請求書を保存することで、消費税の仕入税額控除が適用されるようになります。つまり、消費税を納めていない事業者からの仕入れは、消費税が引けなくなるという制度です。
そもそもインボイス制度が関係ない大家さん
既に消費税を納めている大家さんは2023年9月30日(土)までに登録申請を行わなけれ ばなりません。
その一方でそもそもインボイス制度が関係ない大家さんが大半です。
大家さんがインボイス登録事業者じゃないと損するので嫌がる店子さんは限られています。そもそも消費税を貰っていない居住用物件だけお持ちのオーナーさんはインボイス制度自体関係なく静観していて問題ありません。
ただ、消費税を貰っている物件、つまり駐車場や貸工場や貸店舗などの賃貸経営をしている大家さんが関係してきます。
ただし、駐車場については、店子が商売をしていないならそもそも消費税が引けるなんて店子自体関係ありませんので、この場合も静観で問題ありません。
インボイス制度対応の工夫が必要な大家さん
今は、消費税の免税事業者だけど賃貸している物件が商売をしている人に対し駐車場や貸工場や貸店舗などの賃貸経営をしている場合は工夫が必要です。
この場合、すぐにインボイスの登録申請をしたくなりますが、ここはすぐせずに工夫をすべきです。
まずは、大家さんがインボイス登録をしないことで店子がどれほど損するかにいて理解することです。
何かと言いますと、インボイス制度が導入しても、国も急激な変化にならないように経過措置が設けています。
具体的には経過措置の期間中は、免税事業者からの課税仕入れについても、「仕入税額相当額の一定割合」を控除することが可能です。
2023年(令和5年)10月1日~
2026年(令和8年)9月30日
⇒80%控除
2026年(令和8年)10月1日~
2029年(令和11年)9月30日
⇒50%控除
つまり、免税事業者である大家さんからの家賃の消費税が全額引けないわけではないので、この期間に関しては店子が消費税を引けなくなる部分について値引交渉で対応する方が大家さんの手残りが多くなるからです。
例えば、家賃が110万円の店舗を貸している店子に対し、2023年(令和5年)10月1日~2026年(令和8年)9月30日は、10万円の家賃交渉をしてみては如何でしょうか?
その際に近年の物価高で家賃値上げを考えていたということも含み伝えてもいいかもしれません。
新しい制度、よく理解し何が最善か期限も迫ってきましたので今一度、勉強し対応して頂ければと思います。インボイス制度でお悩みの方、ご興味を持たれた方は、税の専門家、税理士に是非ご相談ください。
税理士法人ほはば代表の税理士の前田が執筆いたしました。
PROFILE
税理士法人ほはば 代表税理士
前田 興二(まえだ こうじ)
2011年10月に税理士法人ほはばを設立し、同法人の代表に就任。税理士業界ではじめて日本マイクロソフト社にそのIT活用の事例取材を受けるなどITを活用し、お客様の経営コストの削減と業務の効率化を徹底的にサポート。不動産オーナーや法人関与先数は400を超える異例の支持を受けている。不動産オーナーに対し、不動産管理会社の設立による節税をはじめ、相続を見据えた生前の不動産対策を提案をすることで更にその支持が広がっている。
税理士法人ほはば
【東京本社】〒102-0083 東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル18F
【大阪本社・会計センター】〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2-4-13 6F
【福岡本社】〒810-0801 福岡県福岡市博多区中洲5-3-8 アクア博多5F
連絡先 TEL:06-6343-3838 FAX:06-6343-4848
http://www.hohaba.com/