【18】本家の悩みと相続対策
ども、税理士法人ほはば代表の前田です。相続税のお仕事をさせて頂いていると地主さん、特に、本家の地主さんならではの悩みというものをお聞きすることがあります。
私は、実は東大阪の農家の次男坊です。小さなころから親に土地はお兄ちゃんが継ぐからな。と刷り込みに近い形で教育されてきたものです。昔はどこの地主さんもそうだったと思います。その教育あってか、本家の長男さんは相続が発生すると弟や妹に有無も言わさずほとんどの土地を含む財産を相続することが少なくなかったように思います。
しかしながら時代は令和となり、弟さんや妹さんが大きく声を出す時代になりました。これは善悪ではなく相続人の権利は平等とする法律と時代が合ってきたというしかありません。
そうはいっても、収益を生まないであろう無駄に大きな自宅とガラガラの広大な駐車場、店子の空きが目立ってきた老朽化してきているアパート。そんな先祖から受け継いできた不動産を守り、相続分を平等にと物言う弟妹たちにどう対応するか頭が痛いとおっしゃられる本家さんが増えたように感じます。
相続は平等にという考えに合わせて、どの不動産を本家分家問わず子供間で分けるか生前に親御さんを交えて話して合意をとるのも一つとは思います。
不動産はいいから、ただただ現金でと弟妹さんが仰られるケースも多いでしょう。その場合は、本家さんは生前にちゃんと対策を打たないと資産を守るだけに必死な人生を強いられてしまいます。こんなのはナンセンスです。では、本家さんがどうすべきでしょうか?
まずは、いま相続が起きたらどうなるかを認識することから始めないといけません。つまり相続税の試算をし、税金を今ある資金で完納できるのか?それと同時にどのように相続をするのか親御さん自身が相続の方向性を決めることです。
①どれだけの価値がある不動産があり、現預金・有価証券・どんな保険契約、借入金など含めて把握する。
②そして今相続が発生すればいくら相続税が発生し、納めることができるのかを把握する。
③財産を残される親御さんの考えを聞く。
親御さんの考えを聞くのが一番大事ですし、言い換えれば親御さんがお子さんに考えを伝えることが一番大事です。
この部分が欠けた節税対策はトラブルしか残しません。相続人に平等に資産を残したいのか。本家に財産を極力残し一族の財産を守っていってほしいのか。その間の考えなのか。そこが最初です。
親御さんが、本家に財産を極力残し一族の財産を守っていってほしいという考えの場合、分家の相続人がその考えと異にする場合は、生前の対策が非常に大事になります。
ではその場合、具体的にはどういった方法があるでしょうか。
①本家に財産が残るように遺言を作成する。
②特に換金性・収益性の高い不動産を本家に遺す。
③分家の遺留分を減らすために親御さんの現預金をつかい、本家を受取人とする保険契約に置き換える。
④分家の遺留分を減らすために本家の孫を養子に迎える。
⑤分家の遺留分を満たす資産を遺言で残す。
相続対策は千差万別ですが、繰返しになりますが方向性が一番大事ですので、親御さんとお子さんと本音で話していただくのが一番の相続対策です。それさえ決まればテクニカルなことは税の専門家、税理士に是非ご相談ください。
税理士法人ほはば代表の税理士の前田が執筆いたしました。
PROFILE
税理士法人ほはば 代表税理士
前田 興二(まえだ こうじ)
2011年10月に税理士法人ほはばを設立し、同法人の代表に就任。税理士業界ではじめて日本マイクロソフト社にそのIT活用の事例取材を受けるなどITを活用し、お客様の経営コストの削減と業務の効率化を徹底的にサポート。不動産オーナーや法人関与先数は400を超える異例の支持を受けている。不動産オーナーに対し、不動産管理会社の設立による節税をはじめ、相続を見据えた生前の不動産対策を提案をすることで更にその支持が広がっている。
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