【30】マンション節税は本当に終わったのか?
ども、税理士法人ほはば代表の前田です。「マンション節税はもう使えない」。近年、こうした言葉を耳にする機会が増えました。確かに、税制改正を経て、かつてのような派手な節税効果を期待するのは危険を伴う行動になっています。ただし、これはマンションそのものが否定されたのではなく、節税だけを目的とした使い方が是正されたと理解するのが正確でしょう。
従来のマンション節税は、相続税評価が時価より低くなりやすい点を活用したものでした。特に都心の高層・築浅マンションでは、購入価格と相続税評価額の乖離が大きく、現金で相続するよりも税負担が大幅に軽くなるケースがありました。この「評価の歪み」が、税負担の公平性の観点から問題視されてきたのです。
令和5年度税制改正では、タワーマンション等について、階数や築年数、専有面積などを考慮した評価補正が導入されました。これにより、実勢価格とかけ離れた評価は是正され、相続直前の購入や短期保有を前提とした節税策は、明確にリスクが高まったと言えます。
さらに注目されるのが、令和7年度税制改正の流れです。現時点で「5年保有」が明文化された制度が導入されたわけではありませんが、国の資産課税全体の方向性を見ると、一定期間以上の保有を前提とした実質判断を重視する姿勢が一層強まっています。短期間で形だけ保有し、税負担だけを下げる行為については、今後さらに厳しい目が向けられると考えるのが自然でしょう。実務上も、「5年程度の保有」を一つの目安として、経済合理性や運用実態が問われる場面は増えています。
また、一部の不動産会社や金融機関系で販売されていた小口化不動産。こちらは一口500万円などで都心のビルの一部を購入できるといったものですが、こちらも節税目的で用いられていたため規制が入りそうです。
もっとも、マンション投資や不動産活用そのものが否定されたわけではありません。賃貸収入による安定したキャッシュフロー、インフレに対する耐性、借入を活用した資産形成、相続人間で分けやすい資産設計といった価値は、今も変わらず存在します。これらを前提に、長期保有を想定した資産設計を行った結果として、税負担が抑えられるのであれば、それは正当な効果と言えるでしょう。
これからの時代に求められるのは、「税金を減らすためにマンションを買う」という発想からの転換です。どのように資産を形成し、誰に、どのような形で残すのか。その設計の中で税務を考えることこそが、令和7年以降のマンション活用における本質だと言えます。
税金って、知れば知るほど面白いものですね!知っているようでよく知らない小規模企業共済制度でお送りしました。税理士法人ほはば代表の税理士の前田が執筆いたしました。
PROFILE

税理士法人ほはば 代表税理士
前田 興二(まえだ こうじ)
2011年10月に税理士法人ほはばを設立し、同法人の代表に就任。税理士業界ではじめて日本マイクロソフト社にそのIT活用の事例取材を受けるなどITを活用し、お客様の経営コストの削減と業務の効率化を徹底的にサポート。不動産オーナーや法人関与先数は400を超える異例の支持を受けている。不動産オーナーに対し、不動産管理会社の設立による節税をはじめ、相続を見据えた生前の不動産対策を提案をすることで更にその支持が広がっている。
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