【31】大家さんのデットクロス対策と法人化スキーム
ども、税理士法人ほはば代表の前田です。
賃貸経営では「デッドクロス対策が重要」とよく言われます。まずは、デッドクロスの意味と、正しく向き合うための考え方について整理します。
デッドクロスとは、借入を利用して賃貸経営を行っている場合、年間の元本返済額が減価償却費を上回る時点を「デッドクロス」と呼びます。
年間の減価償却費 < 年間の元本返済額
減価償却費は実際の支出を伴わず経費として計上できる一方、元本返済は現金支出があるにもかかわらず経費にはなりません。両者は性質が正反対の項目です。
この関係が逆転すると、「経費よりも実際の支出が多い」状態になります。その結果、帳簿上の利益は出ているのに手元資金は増えず、税負担だけが重くなるため、資金繰りが厳しくなることがあります。
ただし、この単純な算式だけで状況を判断するのは注意が必要です。数字だけにとらわれると、かえって経営判断を誤る可能性があるためです。
一般的にデッドクロス対策として紹介される方法の中には、短期的な税負担の軽減にはつながっても、長期的にはリスクを高めてしまうものも存在します。
そのため、デッドクロスを考える際には、
・キャッシュフローの状況
・借入残高の推移
・資産価値の維持や向上
・将来の売却や保有戦略
といった全体像を踏まえて判断することが重要です。
デッドクロスは、賃貸経営の失敗を意味するものではありません。むしろ、ローン返済が進み資産形成が進行している過程で生じる現象ともいえます。重要なのは、税務上の利益と実際の資金の動きの違いを理解し、長期的な視点で資金管理と経営判断を行うことです。
その中で、大きく対策が必要なケースで用いられる方法として「法人化スキーム」があります。
オーソドックスのスキームとしては、減価償却が終わろうとしている建物を鑑定評価し、帳簿価額より高い鑑定評価額で新設した法人で銀行融資を受け建物のみ譲渡するという方法です。譲渡した個人には、譲渡所得税が課税されますが、その課税された分の減価償却費を法人でとることができますので全体でみると税金的には有利になります。
先祖代々の土地の場合に建築されている場合は、敢えて土地は、個人のままにして「無償返還届出の提出」により借地権課税を回避し、必要以上の譲渡所得税も同時に回避できるというわけです。
事業承継もかねてこのスキームの提案・実行が増えております。
事業承継とデットクロス対策に興味がある大家さんは是非ご相談ください!
税金って、知れば知るほど面白いものですね!税理士法人ほはば代表の税理士の前田が執筆いたしました。
PROFILE

税理士法人ほはば 代表税理士
前田 興二(まえだ こうじ)
2011年10月に税理士法人ほはばを設立し、同法人の代表に就任。税理士業界ではじめて日本マイクロソフト社にそのIT活用の事例取材を受けるなどITを活用し、お客様の経営コストの削減と業務の効率化を徹底的にサポート。不動産オーナーや法人関与先数は400を超える異例の支持を受けている。不動産オーナーに対し、不動産管理会社の設立による節税をはじめ、相続を見据えた生前の不動産対策を提案をすることで更にその支持が広がっている。
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