【34】不動産オーナーは要注意!資産管理会社の「株価」が大きく変わる?
ども、税理士法人ほはば代表の前田です。
今回のテーマは、不動産オーナーの相続にも大きく関係する「非上場株式の評価方法」の見直しです。
令和8年8月20日、国税庁の有識者会議で、非上場会社の株価の計算方法を抜本的に見直す方向性が示されました。
日本経済新聞でも大きく報道されており、約60年続いてきた株価評価の仕組みが大きく変わる可能性があります。「株式の話なら、不動産オーナーには関係ない」と思われるかもしれません。
しかし、不動産管理会社や資産管理会社を持っている大家さんには、非常に重要な話です。
個人で不動産を持っていれば、相続時には土地や建物を評価します。
一方、会社で不動産を持っている場合、相続するのはその会社の「株式」です。
現在、一般の事業会社では、会社規模などに応じて「類似業種比準方式」や「純資産価額方式」を使って株価を計算しています。
今回の見直しでは、この会社規模による区分をなくし、会社の「簿価純資産」と「収益力」を使う新しい評価方法が検討されています。
ただし、ここで不動産オーナーは注意が必要です。この新しい評価方法が、すべての会社にそのまま適用されるわけではありません。
土地や株式などを多く所有する資産管理会社については、「特定の評価会社」として、純資産価額方式を基本とする別の評価方法を残す方向が示されています。
そして今回の資料では、「法人が取得した貸付用不動産の評価をどのようにすべきか」
という点も、今後の検討事項として挙げられています。
ここが、不動産オーナーにとって非常に重要です。
現在、会社が土地や建物を購入した場合、取得後3年以内は原則として通常の取引価額で評価します。
しかし、3年を経過すると、土地は路線価など、建物は固定資産税評価額などを基礎とした相続税評価に切り替わります。
例えば、会社が銀行から10億円を借りて10億円の賃貸マンションを購入し、3年後の相続税評価額が6億円になり借入金の返済が進み9億円になっても不動産6億円-借入金約9億円=△3億円となり、会社の株価を大きく下げる効果が生じることがあります。
これまで、この仕組みを利用して、不動産購入から3年経過後に株式を贈与する相続対策も行われてきました。
しかし最近では、このような大幅な評価差を利用した節税について、国税当局も厳しく見るようになっています。そのため私は、今回の改正で、「3年経過後なら相続税評価額に切り替えられる」という現在の仕組みにも、何らかの規制が入る可能性が高いと考えています。
期間を延ばすのか、取得価額や時価を基準にするのか、具体的な方法はまだ決まっていません。ただし、もし規制が入れば、不動産を多く持っている資産管理会社では、現在より株価が高くなるケースが増える可能性があります。
つまり今回の改正は、「新しい株価計算方法になる」というだけではありません。
不動産オーナーにとっては、「不動産を使って下げていた資産管理会社の株価が、今後は下がりにくくなるかもしれない」という点が非常に重要です。
もちろん、現時点ではまだ検討段階です。資産管理会社の株価が必ず上がると決まったわけではありません。だからこそ、今のうちに自社の株価を確認しておくことが大切です。
税金って、知れば知るほど面白いものですね!税理士法人ほはば代表の税理士の前田が執筆いたしました。税金って、知れば知るほど面白いものですね!
税理士法人ほはば代表の税理士の前田が執筆いたしました。
PROFILE

税理士法人ほはば 代表税理士
前田 興二(まえだ こうじ)
2011年10月に税理士法人ほはばを設立し、同法人の代表に就任。税理士業界ではじめて日本マイクロソフト社にそのIT活用の事例取材を受けるなどITを活用し、お客様の経営コストの削減と業務の効率化を徹底的にサポート。不動産オーナーや法人関与先数は400を超える異例の支持を受けている。不動産オーナーに対し、不動産管理会社の設立による節税をはじめ、相続を見据えた生前の不動産対策を提案をすることで更にその支持が広がっている。
税理士法人ほはば
【東京本社】〒102-0083 東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル18F
【大阪本社・会計センター】〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2-4-13 6F
【福岡本社】〒810-0801 福岡県福岡市博多区中洲5-3-8 アクア博多5F
連絡先 TEL:06-6343-3838 FAX:06-6343-4848
http://www.hohaba.com/
